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クロストーク | フタバフルーツパーラー
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フタバフルーツパーラーを
つくる二人

フタバフルーツパーラーを語る上で欠かせないふたり、
立ち上げから7年、会えば話が尽きないというお二人に、
これまでのことやこれからのことをお聞きました。
なんだか決起集会のような、熱量の高い対談になりました。

インタビュアー:
奈良正徳

飲食や宿泊事業においてマルチブランドを
展開する株式会社subLimeを経て、
2024年カフェ・カンパニー代表取締役社長就任。

未来の話に突き動かされて

奈良:

フタバフルーツパーラーは、成瀬さんとカフェ・カンパニーとの出会いが始まりですよね。

成瀬:

そうです。そもそも僕がフタバフルーツを継いだ時、世の中では「果物離れ」なんて言葉が出ていて。フルーツで人を幸せにしたいし、笑顔にしたい。それならもっと食べる機会を作らなくてはと思って、フルーツパーティーをやりだしたんです。ただ食べてもらうだけじゃ試食会になっちゃうから、フルーツと音楽を合わせた「五感でフルーツを楽しんでもらうイベント」にしたんですね。

奈良:

そこでうちの楠本さん(楠本修二郎・代表取締役会長)と出会ったと。

成瀬:

ええ。楠本さんには「みんなを幸せにしたいなら、イベントだけじゃ足りない。フルーツをスイーツにして、毎日食べられるような店を作らないか」と声をかけられまして。フルーツに可能性を感じてくれたことが、僕は嬉しかったんです。

奈良:

カフェ・カンパニーのカフェとフルーツが融合したら、もっとフルーツが身近な食材になると思われたんでしょうね。

成瀬:

楠本さんのお話はとにかく熱い。当時は今よりもっと自由に…気持ちで突っ走っていたはずですが、そんな僕に対して対等に物事を考えてくれて、フルーツの未来の話をしてくれました。なんだか兄貴って感じで。

岡田:

それ、すごいわかる。僕の出会いも話していい?

奈良:

ぜひ、お願いします(笑)

岡田:

独立してから鎌倉でヴィーガン・スイーツのお店をやっていたんです。ある時楠本さんのご家族が僕のケーキを食べてくださったみたいで、直々にお店へ来てくれたんですが、忙しくてじっくりお話できる状況じゃなくて。一旦帰るね、とお店を出られたんです。その日の閉店後、電話がかかってきて「片付け終わった?」って。僕は後日改めて来られるんだと思っていたから本当にびっくりして。だって何時間待ってたんだ!?って感じですよ。

奈良:

それはなんとも楠本さんらしいエピソードのような気がします。その時にカフェ・カンパニーに誘われたんですか?

岡田:

そうそう。「この技術は世界を変えていくと思うから、東京に来た方がいいんじゃない?ゆくゆくはカフェ・カンパニーのデザートも監修してほしい」っておっしゃられて。

奈良:

岡田さんにとって魅力的な誘いでした?

岡田:

もちろんです。いろんな業態を持つカフェ・カンパニーでデザート監修すれば、僕がやりたいことを一気に拡散できると思いました。僕は元々アレルギー対応のためにヴィーガンスイーツを始めていて。もう20年以上前ですが、ホテルのパティシエだった時代、アレルギーを持つお子さんの親から「卵や乳製品を抜いたケーキを作れますか?」と当時は無茶な要望を受けたんです。でもお話を聞いていくうちにケーキを食べたことがないお子さんの夢を叶えてあげたいと思うようになって、必死で植物性素材のケーキを作りました。そんなきっかけだから、ヴィーガンスイーツを作るというよりも、みんなが困らない世界を作りたい、というのが僕が目指していることです。

奈良:

カフェ・カンパニーで掲げている「食で未来を作る」というスローガンと重なる部分がありますよね。なるほど、お二人とも情熱的な方だと思っていましたが、楠本さんがその火付け役だったとは。

五感でフルーツを楽しんでもらうイベント
(フタバフルーツ)

フルーツが主役のスイーツ

奈良:

成瀬さんは近頃、生産者さんとの繋がりも深めていらっしゃるそうですね。

成瀬:

そうなんです。フルーツって、収穫できるのは年に1回だけじゃないですか。その時に1年の全てをかけているんです。でも例えば災害の被害にあわれたり、気候の変化によって思うような出来にならない時も当然ある。その1回だけで「美味しくない」「味が落ちた」と評価されてしまうことに疑問を持つようになりました。

奈良:

それで事情を発信したり、その味なりの消費の仕方を提案しているんですね。

成瀬:

はい、雨が多かったから例年よりは味が薄いけれどジュースにすると美味しく飲めるよ、といったことを生産者さんと一緒に考えて、ロス削減を目標にしています。僕、フルーツってアートだと思っているんです。1年間、手塩にかけた作品。その制作過程や思いをお客さんにも伝えた上で、美味しく味わってもらいたいんです。

岡田:

そんなダイスケさん(※成瀬さん。以下同じ)と一緒に出来るのは、本当に心強いんですよね。フルーツってケーキ屋に必要不可欠だけれど、生産者さんと繋がってこだわりのフルーツを使わせてもらうことはなかなか難しくて。でもダイスケさんが生産者さんの声と素晴らしいフルーツを届けてくれるわけですから。

成瀬:

うん、僕はあえて魔法って言っちゃうんだけど、オカちゃん(※岡田さん。以下同じ)の経験と技術が魔法をかけるようにフルーツを食材から主役にしてくれるんですよね。

岡田:

そうそう、フルーツを主役にするっているのは7年前から話していることですね。フタバフルーツパーラーを立ち上げるにあたって、当時改めていろんなクレープを食べて研究したんですが、ふと思ったことはクレープってデコレーションがないなって。フルーツもクリームも包まれちゃってて、手に持つときのワクワクがないんですよね。それならフルーツを使ってデザインすればいいと思っていて、例えばフルーツが生地から飛び出してモリモリ盛られているような、こぼれ落ちそうだけど写真に撮りたくなるような。

成瀬:

すれ違った人が思わず振り返るようなね。せっかくオカちゃんとタッグを組むんだから、型を破っていきたいですよ!

岡田:

いろんな現実的な問題もあるんでしょうけど…。

奈良:

確かに価格や仕入れなどいろいろ調整しなければいけないことはありそうです。でも実現できるようにこれからの戦略考えていきましょう!

食にボーダレスな場所として

奈良:

僕は成瀬さんのフルーツへの熱い思いや、岡田さんのヴィーガン・パティシエとしての攻め方をうまく調和させながら、時代にフィッティングさせていきたいんですよね。

岡田:

嬉しいです。ヴィーガン対応という点では、7年前はまだ少しタイミングが早かったかもしれませんが、今や小学生もその意味を知っている時代ですよね。これからますます話題性を作れそうです。

奈良:

少し話がそれますが、僕はロンドンにラーメン屋とカツカレー屋を作りに行ったことがあって。ムスリムの方が多かったので、ハラール対応として豚肉をすべて鶏肉に変えたんです。そうしたらものすごくお客さんが来てくれて、みんなジャパニーズコンテンツに興味はあったけど、食べられなかっただけなんだと思ったんです。だから世界に誇れる日本のフルーツも、もっと広め方があるのかもと思いまして。

岡田:

面白いですね。僕はボーダレスな食の世界を作るためにこの仕事をしています。アレルギー専門店やヴィーガン専門店も増えてはいますが、それでは食でコミュニケーションが取れないと感じています。アレルギーの子供に親御さんたちが付き合っている雰囲気がかんじられて。でもみんなが一つのテーブルで「おいしい」を共有してほしいんです。食で諦めない世界にするためには、食事に選択肢を作らなくちゃいけなんですよ。

成瀬:

ヴィーガン対応のメニュー開発はもちろんそうだけど、今も一部店舗で実施している、ソフトクリームを豆乳アイスに変更できる仕組みもどんどん広げていきたいよね。オカちゃん、他に何か作ってみたいメニューは思い浮かんでる?

岡田:

フルーツとスイーツのブッフェをやってみたいんですよね。自分の店でもアレルギーをお持ちの方々を対象にヴィーガンスイーツのブッフェを企画しているんだけど、何でも食べて大丈夫という状況にものすごく目を輝かせてくれるんです。こういうものが普通にあるべき姿になっていってほしくて。フルーツとスイーツなんて、みんな大好きじゃないですか。なくても生きていけるかもしれないけど、あると幸せになれるもの。しかもご飯では味わえない幸せ。すべての人にそんな幸せを届けられる場所にしたいので、フタバフルーツパーラーでもフルーツたくさん用意してブッフェをやりたい。

成瀬:

いいですね。国も、信条も、アレルギーも超えていくフルーツパーラー。僕らにしかできないことを突き詰めていきたいです。いやいや、オカちゃんと話すといつも話が尽きない。

岡田:

ほんと、7年前からずっとこう。もっと話が深くなってくるとお互い変態の域ですよね(笑)

奈良:

僕は岡田さんとこうやってじっくりお話をするの、今回が初めてだったんですが、噂に聞いていたよりもさらにパッション溢れる方でした(笑)フタバフルーツパーラー、ポップで爽やかな店づくりの裏側で、作り手の温度は相当な高さ。時代に合わせて、でも個性的でいれるように、チャレンジを続けていきたいですね。

※記載の内容は2024年12月取材時点のものです。